2011年 01月 25日
GARMENT つづきのつづき
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続くシーズンは春夏で、ちょうど良い生地を1つ見つけていたので、
かねてから作りたかったシャツを数型作製
別のリネン生地でコートやジャケット等を作った
シャツは既に用意した生地と、もう1生地を探していたのだが、
ここで、またヨーロッパと日本の違いに困惑する事になった
ヨーロッパの生地屋さんはランニングされている生地
(生地屋のリスクで回っている生地)
の種類が極端に少なく、こちらのリスクで作る場合のミニマムが、
到底オーダー出来る数量では無い
(この時点で、無理すれば何とかなるみたいな量では全くなかった)
一概には言えませんが日本でも規模の小さなブランドであれば、
殆どの場合、ランニングされている生地を使って企画を立てている
事が多いと思います
たまたま僕の経験がそうだっただけかも知れませんが、オーダーする場合の
ミニマムが日本とは比べ物にはならない程大きく驚きました
少ない量で作れる場合、大枠にしていくらの服を作るのか?と思う程、
高い生地だったりもした
もしくはストックを買うという方法だが、往々にして欲しい生地は、
一反程度しか無く話しにならない
現在のワークウェアは当然の様に化繊が混紡されていて、そのような生地や
普通のコットンツイルや固めのモールスキン等いかにもな生地は手に入るが、
求めている風合いとは違っていた
日本でも見るヨーロッパ製のワークウェアやファクトリーブランド
と言われているブランドのアイテムに使われてる生地は種類が少なく、
似通った風合いになってしまう1つの原因はそこにある気がした
(もしくは製品染めが多い)
この時もシャツ用にベルギーの有名な生地会社の生地を使ってみたが、
到底使えるプライスでは無かったので断念した
そのシーズンで1品版、総裏のジャケットをリリースした
ヨーロッパで生産されているワークブランドは大抵、1枚もの(裏無し)しか
縫えない事が多く、巷に出回っているワークウェアも殆どそうだと思います
(最初の工場では、プレタ(高級既製服)の工場では無いから無理と言われた)
この品番は先日のハンティングの時の工場で作ったのだが、
本当に何度も説明と修正を繰り返してリリースが出来た
他のワークウェアの工場と比べて衣服の縫製はできる方なのですが、
最初に行った時はこの工場もブランドタグを縫う時にどちらにもステッチが
目立たない様、上糸と下糸の色を変える様指示したのを理解出来なくて、
皆でミシンまで行き実演して教えた事を考えれば、目紛しい進歩でした
ここまでの数々のやり取りでここの工場の努力が伝わってきたのと、
フランス生産で初めて話し合いが建設的になってきた実感が出てきた
ここのオーナーも最初はワークウェアを洗って納品という事に、
納得していなかったのだが、洗ったサンプルを持って行き見せたとき、
全然洗った方が雰囲気が良いじゃないか!と言ってきた
こちらの感覚を理解しようとしている事が嬉しかった
休みも削って働く彼とは、(フランス人では考えられません)良い関係で、
仕事をしていける気がした
※他にもあまりにも多くのハプニングがありましたが、ちょっとした
短編小説の様になりそうなので割愛させて頂きます
それとは別に、ここまでの経験で、何点かは学ぶ事ができた
アイテムは関係なく、工程数(かかる時間)で工賃が決まる工場が多い
例えば、インポートのブランドでジャケットとパンツの値段を比較すると
パンツが割高な事があるが、それが原因だと思われる
曲線縫いを極端に嫌がる(工賃が上がる)
裏地,芯地等はかなり説明し、教えないと難しい
等々、、、上げて行けばきりがない程
この時点では、次の秋冬のサンプル製作に向けて、まだまだ生地の手配を
はじめとする、問題は山積みのままだった
続く
by 12-fabrique
| 2011-01-25 18:22
| GARMENT REPRODUCTION